2012年4月 春季研修会(歌舞伎鑑賞教室 京都南座で開催)

講師 丹羽
四月二十二日(日)、京都南座の歌舞伎鑑賞教室に行ってきました。
春季研修会が南座の歌舞伎鑑賞教室に決まった時から、何を着て行こう?が、頭の中にぷかり。せっかくの京都だし、南座だし、歌舞伎だし・・・。なのに数日前からの雨の予報。
当日もやっぱりあいにくの雨でしたが、さすがにひろのみなさん、頑張ってお洒落されていましたね。受け持ちの教室の本科の生徒さんも、三日前の特訓の成果があって、上手に着ていらっしゃいました。とても嬉しく誇らしかったです。
さて鑑賞会ですが、二年前同様、桂九雀さんはさすがに噺家さんだけあってテンポよく、わかりやすく、楽しく歌舞伎の約束事などを解説してくださいました。観客から女性一人に、歌舞伎の衣裳を着させていただく趣向があり、ひろの誰かになればいいのに・・・と思っては見たものの、着物だから着脱が大変になるか・・・とひとりごちておりました。因みに今回は赤姫(恋するお姫様)で、たしか前回は「助六」の恋人、三浦屋の揚巻でした。
今回の演目は有名な「連獅子」でした。長い毛を振る「毛ぶり」は、テレビで何度か見て、すごい技だなと感動したのですが、実際に見ると技のみならず、親獅子、仔獅子の二人(二頭?)の息の合わせ方にも感動しました。またそれよりもすごい!と思ったのは、親獅子
と仔獅子が身長よりも長い毛につまずくことなく、花道を何十メーターも後ろ向きに去っていく場面で、本当に拍手ものです。
親獅子を演じられた上村吉弥さんは、私の好きな役者さんの一人で、第一回から続けて出演されているそうです。やわらかな風情で上品な佇まいの女方をよく演じられる吉弥さんですが、連獅子の毛ぶりなどもされるのだと、少し得した気分になりました。
大阪の新歌舞伎座、松竹座も素晴らしい劇場ですが、有形文化財の南座の雰囲気は秀逸です。来年も是非、南座から京都らしく湯豆腐の食事コースで、歌舞伎の感想や着物の話を、和やかにできる春季研修会であればよいなと願っています。